例年なら3月の初旬から収穫をしていたデコポン、今年はどうも酸の切れが悪くて先日やっと”味見”しました。
袋掛けしたデコポン畑は真っ白です。

普通の温州ミカンは1本の樹から少なくても2個は味見するのですが、さすがにデコポンはもったいなくて1個です。
1個で一本の樹の可否を判断するのは結構難しい。
Sサイズで比較的陽当たりの悪そうなところからサンプリングします。
四分の一にカットしてまず簡易糖度計で糖度チェックです。

その後で食味します。これが一番大事で甘さはともかく、酸味の感じ方に一番気を使います。
舌だけでなく口の中全体の広がり、喉の残り具合など・・・・。
味見は結構大変で、甘さで腹いっぱいなので昼食は食べる気にならないし、酸で歯が知覚過敏状態になります。
結果をミカン台帳に記入します。

Aランクは十分甘くて、酸を酸っぱいと感じないレベルで、今すぐにでも出荷OK、A'はわずかに酸味が残るので4,5日中にもう一度確認した方が良いもの。酸味の強さでB、Cランクと続きます。
この日の結果は、Aランクが3/4とまずまずでした。
糖度は平均15.5度、Max20.5度、min12.2度で甘さは十分です。
即収穫OKの樹には印の印のリボンを付けます。

収穫です。
まず袋を取って


3月下旬まで置いていただけあって、しっかり完熟です。

約100本の樹から収穫したのはコンテナ約120箱、ちょっと少ないけど若木が多くて今年は裏作だったことを考えればこんなもかも・・・。
でも、今年の問題は収量ではなく、水腐れです。

デコポンは頂部にトレードマークの”デコ”があるのですが、枝のついているところが凹んでいるのです。
ここに雨水が溜まって腐敗菌が増殖するのです。
この程度だと中身は問題ありませんがもちろん製品にはなりません。
例年1コンテナくらいは出ていたのですが、今年は10箱以上です。
1月から結構温かく、しかも雨が多かったのが原因でしょう。
対策案を試作してみました。

通常の伸縮布袋の上から紙袋を二重に掛けるのです。

実のなっているところの葉っぱを2,3枚取ってビニタイで水の入らないようにしっかり縛るのです。
20本くらいの樹に試作してみましたが結果は上々でした。
袋掛け作業の時間が5倍くらいかかりますが来年からは全樹やるしかないようです。
元越山麓の山がほんとに白くなってきました。

お宮の桜ももう3分咲きかなあ。
